優雅にめぐり航く船旅こそは、旅人の憧れであり続けます。そんな皆さまをプレミアムな感動で満たす、にっぽん丸のチャータークルーズ。横浜港から熊野の都・新宮(しんぐう)、「瀬戸内のハワイ」と称される周防大島(すおうおおしま)を経てキリシタンの想いが時を超えて偲ばれる長崎県の上五島(かみごとう)へ。大海原のその先に、どんな驚きと楽しさが待っているのでしょうか。
定められたルートによって、憧れの地への想いを閉ざされることなく。目的地へと急ぐ、せわしさもない。心地良い潮風を感じながら、水平線の彼方で繰り広げられる天空のドラマに息を呑み、時を忘れて景色の移ろいを眺め航く。そして洋上とは思えない美食のひと時に心満たされ、日々のエンターテインメントやイベントに心躍る非日常の世界こそ、船旅の醍醐味でしょう。いつかは船旅…… ご案内するのは、そんな皆さまの想いを叶えるためににっぽん丸をチャーターして企画した、まさにプレミアムなクルーズです。
船旅の大きなメリットは、陸空路では容易に訪れることができない地にも寄港できる航路の自在さです。寄り道をするかのようにまだ見ぬ地に立ち寄り、その素顔にふれることができます。名古屋駅から約3時間30分の新宮、瀬戸内海の西部にあり最寄りの広島駅からさらに約一時間半かかる周防大島、羽田空港から直行便のない長崎県の上五島というように、アクセスの不便さを払拭しての寄港地観光をお楽しみいただけます。
ほど良いサイズの日本船・にっぽん丸を利用することも、クルーズ旅行にはじめて参加するお客さまにとって心強いことでしょう。メガシップの船内を右往左往する不安や、外国船のようにコミュニケーションにとまどいを感じることもなく、日本式で供されるおもてなしに心寛ぐ船旅をご満喫ください。加えてこの旅は、にっぽん丸の乗客定員が449名のところ限定250名というチャータークルーズですので、プライベート空間を楽しみながらゆったりとお過ごしいただけるでしょう。
当社では、離島めぐりなどのオリジナルクルーズを催行し好評をいただいています。その船旅の良きパートナーである、にっぽん丸の魅力をご紹介しましょう。
1958年に初代が竣工以来、現在のにっぽん丸は1990年に竣工した3代目。2010年、2020年の改装によりダイニングをはじめとした設備や客室をグレードアップし、「大人のための豊かな国」をテーマにした海上ライフを提案し続ける日本の代表的なクルーズ船です。
なかでも楽しみの1つが、“食のにっぽん丸”と呼ばれるほどに定評ある美食体験です。それぞれの寄港地で積み込む選りすぐりの山海の幸を食材に、総勢約40名の料理人たちが心を込めて紡ぐ一皿ひと皿をご満喫ください。また、レストランのシェフとは別にパン職人が毎日、生地から焼きあげるこだわりのパンも、ぜひご賞味ください。
さあ、横浜港から特別感に満ちた5泊6日のクルーズへ。良き船旅をどうぞ!
10月31日。暮れなずむ横浜港を出港したにっぽん丸は、船首を南西に向け太平洋の海原へ。朝陽も眩い11月1日の午前9時、新宮に入港します。紀伊半島の南端部分に位置するこの町は、熊野速玉大社などの世界遺産が、豊かな自然と日常風景に溶け込むかのように佇む熊野の都。早くもときめき高まる皆さまに応えて、多彩な寄港地観光のコースをご用意しました。
「基本コース」は、鳥居も壮大な熊野本宮大社と熊野速玉大社へ。熊野本宮大社向かいの熊野本宮館では、かつて比丘尼(びくに)と呼ばれた尼僧が天上界、地獄、餓鬼、畜生などが描かれた絵図を使い、人間の生誕から死後の世界とその救済を語り聞かせたという「熊野参詣曼荼羅絵解き」を体験いただきます。比丘尼姿をした語り部の話に耳を傾けるほどに、神秘なる熊野信仰の世界へと誘われていきそうです。
「那智コース」は、熊野那智大社を参拝し青岸渡寺(せいがんとじ)と那智の滝が織り成す幽玄さを堪能するコースと、勝浦漁港などを訪ねるコースをご用意。日本有数のまぐろの水揚げ高を誇る勝浦漁港では、迫力のまぐろ解体ショーを。「健脚コース」では、熊野古道をミニハイキング。森閑なる雰囲気のなか、難行苦行の道のりをゆくお遍路の一端にふれてはいかがでしょうか。
11月2日。世界最大級の吊橋「明石海峡大橋」を通過し、波穏やかな瀬戸内海へ。さらに世界初の3連吊橋「来島海峡大橋」をくぐり航くと、迫りくるのがこの多島海で3番目に大きな島、金魚のような形をした周防大島です。
入港とともに漂ってくるのは、なんとも陽気で開放的な南国情緒。それもそのはず、この島はいたるところで“アロハ”な気分を感じさせる“瀬戸内のハワイ”。潮風に揺れるヤシの並木と青い海。海岸の道路沿いには、ハワイ風のカフェやレストランが点在しています。また、夏ともなると毎週土曜日(サタデイ)にフラダンスのイベント(サタフラ)が開催されるなど、島全体でハワイらしさを盛りあげています。
そんな周防大島が“瀬戸内のハワイ”と呼ばれるようになったのは、明治時代の移民協約を期に延べ約3900人の島民がハワイに移住したことから。1963年にはハワイ州カウアイ島と姉妹島縁組を締結し、文化や産業、スポーツなどの交流活動が続けられています。移民の歴史や人々が築いてきた深い絆などが相まって、“瀬戸内のハワイ”と呼ばれるようになったのです。
“瀬戸内のハワイ”のみならず、温暖な気候を利用した柑橘類の栽培が盛んなことから“みかんの島”とも呼ばれる周防大島。さらに、村上水軍の全盛期を支えた村上武吉ゆかりの島でもあることを知れば、歴史好きにはなおのこと心惹かれるでしょう。
そんな周防大島での思い出をたっぷり刻んでいただける、4つの観光コースを取り揃えます。全コース共通でご体験いただくのが、「片添ケ浜海浜公園」でのひと時。開放的なホワイトビーチ、エメラルドグリーンの海、ヤシの木の並木道など、まさにハワイのリゾート感たっぷりです。
そのほかにも、みずみずしいおいしさに思わず笑みがこぼれるみかん狩り。ちょっと足を延ばして白壁の街並みも麗しい柳井市や、錦帯橋で知られる岩国市の散策。干潮の前後約3時間ずつだけ現れる砂の道を渡っての真宮島上陸など、魅力的な寄港地観光コースをご用意します。