[ 国内特集① ]

荘厳と静寂に出あう

夢心地の紅葉シーンへ

企画=伊藤麻美子/後藤秀幸 文=浅見浩司
  • イメージ イメージ

秋、京都の紅葉の名所には、世界中から多くの観光客が訪れます。その最大の理由は、悠久の歴史を持つ荘厳な建築と真っ赤に色づくもみじの劇的な共演にあるといっていいでしょう。とはいえ、そんな古都の情趣をじっくり味わうためには、静謐な空気のなかに身を置きたいもの。今回の旅では、紅葉がすばらしい寺院の貸切ライトアップや、人ごみとは無縁の隠れた紅葉の名所にご案内。夢心地の紅葉シーンをご堪能ください。

  • イメージ イメージ

紅葉と雲海の
ライトアップが神秘的な
「仁和寺」の特別拝観に高鳴る

ダイナミックな雲海に浮かぶ 国宝の金堂に言葉を失う

三越伊勢丹ニッコウトラベルならではの、荘厳と静寂に出あう紅葉ツアーの1つ目は、「仁和寺」がハイライトの2コースです。仁和寺は、888(仁和4)年に創建された、真言宗御室(おむろ)派の総本山で、1994年に世界遺産に登録されました。今回は、閉門後、その広大な境内の中門から奥を特別に貸切り。見頃を迎える鮮やかな紅葉と、大量のミストでつくるダイナミックな雲海をライトアップした、華やかで神秘的な世界をご堪能ください。特に、雲海に浮かぶように見える国宝の「金堂」は、言葉を失うほどの優艶さ。さらに、通常非公開の金堂内部や、豪奢な宸殿などを僧侶の案内付きで拝観できるのも、見逃せない魅力です。

1泊2日のコースの初日に特別拝観する「吉田神社」も、広い境内のあちこちで美しい紅葉が楽しめます。平安京の守護神として859年に創建されたこの神社を、神職の案内付きで正式参拝。全国の神々を祀る大元宮(だいげんぐう)である吉田神社に参詣すると、全国の神社に詣でたのと同じ効験があるとされています。また、夕食でご案内するのが、創業約300年の老舗「萬亀楼(まんかめろう)」。洗練された盛り付けと繊細な味の京懐石をご満喫ください。なお、仁和寺の貸切ライトアップは、名古屋発の1泊2日コースでもご観賞いただけます。

  • イメージ イメージ 世界遺産・仁和寺の艶やかな紅葉と、境内を覆い尽くすほどの雄大な雲海をライトアップ。金堂や五重塔の荘厳さと神秘さが深まります
  • イメージ “神が集いし岡”として親しまれる吉田山の麓にある吉田神社は、紅葉が点在 ©水野秀比古
  • イメージ 「萬亀楼」は、有職料理を正式に継承する、創業約300年の老舗
  • イメージ イメージ
  • イメージ イメージ

京都屈指の紅葉の名所から 静寂が支配する山間の古刹まで

2泊3日のコースの1日目は、平安初期に嵯峨天皇の離宮として建立された「大覚寺」へ。「日本三大名月鑑賞地」の1つといわれる大沢池の周りのもみじが水面に映り込む姿は、風雅な趣を感じさせてくれます。そして、2日目の朝に向かうのが、京都屈指といわれる紅葉の名所「東福寺」です。通天橋から一望する渓谷は、“錦の雲海”とも称される、息を呑むほどの艶やかさ。昼食は、通常非公開の大書院を貸切って、窓外のもみじと、秋の味覚を散りばめた松花堂弁当をごゆっくりどうぞ。

3日目は、平清盛の娘である建礼門院徳子が閑居した、京都大原の山間にひっそり佇む「寂光院」と、石川丈山作と伝えられる池泉回遊式庭園の紅葉が見事な「蓮華寺」へ。そして紅葉狩りの最後は、安土桃山時代の創業といわれる老舗料亭「山ばな 平八茶屋」。大きなもみじが茂る庭園と滋味に富む懐石料理を心ゆくまでお楽しみください。

  • イメージ 2000年の放火焼失後、2005年に再建された寂光院の麗しい本堂
  • イメージ 老舗料亭「山ばな 平八茶屋」にある築400~500年以上といわれる騎牛門
  • イメージ イメージ

紅葉ライトアップと
篠笛の音色が雅やかな
「雲龍院」の貸切拝観に心遊ぶ

  • イメージ イメージ

静まり返る東山の奥座敷で 心に沁みる晩秋のひと時を

  • イメージ イメージ 密やかに佇む京都・東山の雲龍院を貸切り、優美な書院から庭園の紅葉ライトアップを愛でる ©水野秀比古

御寺泉涌寺別院の「雲龍院」を丸ごと貸切って、静寂のなか紅葉ライトアップをご満喫いただく2コースもおすすめです。“東山の奥座敷”といわれる、泉涌寺山内の1番奥に位置する雲龍院は、南北朝時代の1372年に創建されました。今回は、そのこぢんまりとした境内を閉門後に貸切り、庭園の紅葉をライトアップ。庭園を囲むように配された優美な書院の1つより、闇に浮かぶ幻想的なもみじの景観を眺めながら、心に沁みる篠笛の調べをご堪能ください。さらに、僧侶の案内により、壮大な14面の襖絵『双龍風雷図』などを特別拝観。しっとりした晩秋の宵を楽しみます。

1泊2日のコースでは、雲龍院のほか、紅葉の時期に合わせて公開される通常非公開の「西陣興聖寺(にしじんこうしょうじ)」や、門に「拝観謝絶」の札がある尼門跡寺院「慈受院門跡」を特別拝観。さらに2日目は、山寺の風情を湛える「毘沙門堂門跡」と、本年から拝観がはじまった建仁寺塔頭の格式高い「西来院(せいらいいん)」で、情緒豊かな紅葉をご満喫ください。

  • イメージ イメージ 静寂につつまれてライトアップされた雲龍院の庭園。緑と赤のコントラストが美しい
  • イメージ 雲龍院の紅葉ライトアップを背景にお楽しみいただく、雅やかな篠笛演奏
  • イメージ 八坂の塔を望む「レストランひらまつ高台寺」で 正統派フレンチの昼食(1泊2日コース)
  • イメージ イメージ

広大な庭園の紅葉散歩から 静謐な露地庭園のもみじまで

2泊3日のコースでも、この秋に特別公開される通常非公開の寺院を中心に、もみじのおすすめスポットをめぐります。まずご案内するのが、総面積約36,000坪におよぶ風光明媚な地に、17の茶室と庭園を配した「松殿(しょうでん)山荘」。どこまでも続く庭の紅葉散歩に心がやすらぎます。1日目の夕食は、「京懐石 吉泉」で、深まる秋が薫る伝統的な京料理をお召しあがりください。

そして2日目は、境内を包み込む紅葉に圧倒される「永観堂」から、紅葉の赤と、苔の緑のコントラストが見事な「霊鑑寺」と、茶人・織田有楽斎ゆかりの「正伝永源院」へ。ホテルで1度ご休憩ののち、雲龍院へ向かいます。

3日目に訪れる、相国寺塔頭「真如寺」では、秋の特別公開期間中でも一般公開されない書院をこの旅のお客さまだけで貸切り、庭をカラフルに彩る紅葉をゆったりとご覧いただきます。紅葉観賞のラストは、真田家ゆかりの妙心寺塔頭「大法院」へ。茶室から続く、静謐な露地庭園のもみじには、誰もが心奪われることでしょう。

  • イメージ イメージ 技巧を凝らした近代数寄屋建築の傑作である松殿山荘
  • イメージ 妙心寺境内の奥まった場所にある、大法院の静かで風情ある露地庭園
  • イメージ 下鴨神社の近くに佇む、「京懐石 吉泉」の茶懐石の流れを汲んだ京料理