四季がある日本にとって春夏秋冬それぞれの魅力は宝物。本州最北端に位置する青森県は言わずと知れた寒冷地ですが、地元の人々の「技」が光り、情熱がほとばしる地でもあります。
三越伊勢丹ニッコウトラベルは、株式会社オマツリジャパンおよび青森県と共同で、冬ならではの青森の「技」に焦点をあてた「冬の青森の旅」3コースを企画いたしました。さあこの冬は、寒さも吹き飛ばすほどの情熱にふれる冬の青森へ出かけませんか。
東北3大祭の1つといわれており、国指定重要無形民俗文化財でもある「青森ねぶた祭」。豪快で華やかなねぶたと呼ばれる山車が、人々が熱狂する夜を彩ります。夏に開催される祭り本番に向けて、準備は冬からはじまっています。今回の旅では、2人のねぶた師とともに、ねぶた制作の現場などの祭りの舞台裏を特別に見学することができます。
1人目は第7代ねぶた名人の竹浪比呂央さん。「ねぶた名人」とは、卓越した技術で祭の振興に貢献したねぶた師に贈られる称号のこと。2023年、11年ぶりに名人が誕生し、竹浪さんが第7代のねぶた名人に選出されました。ねぶた大賞をはじめ数々の賞を受賞している竹浪さんは、後継者の育成や、海外でのねぶた制作なども行い、ねぶたの新たな可能性を追求し続ける名人です。2人目は、五所川原市で行われる立佞武多の制作者からねぶた師へと転身を遂げた福士裕朗さん。それぞれのスタイルで伝統を受け継ぐ、個性的な2人のねぶた師だからこそ語ることができる祭りの話を存分にお楽しみください。
冬の青森だからこそ味わうことができる美食旅もご用意しました。弘前を代表する2人のシェフが、地元でとれた旬の食材を使い、想いを込めてつくる料理をご堪能ください。「レストラン山崎」は〝奇跡のりんご〟として知られる無農薬栽培のりんごを使った山崎隆シェフのフルコースが人気のフランス料理店。不可能といわれた栽培方法に取り組み続けた木村秋則さんの物語は映画化され話題を集めました。「OSTERIA ENOTECA DA SASINO」は自家菜園だけでなく、自家製の生ハムや、近隣の牧場から運ばれる牛乳からつくる自家製チーズなどの食材にこだわり、ブドウ栽培からはじまるワインづくりまで自ら手がけるイタリア料理店です。笹森通彰シェフの巧みな「技」が光るひと皿は、郷土愛があふれています。
冬の青森ならではの海の幸を味わう美食旅も見逃せません。青森の名店「日本料理 城」で、上質な脂が乗り旬を迎える「大間のまぐろづくし会席」をお楽しみください。1人あたりの漁獲量が規制され、希少価値が高まっている大間まぐろを、地元の漁師さんから直接仕入れることができるのは、地元の名店ならでは。大将がここぞと腕を振るう“黒いダイヤ”はここでしか味わうことができません。
このほかにも、冬の風物詩である津軽鉄道ストーブ列車や八甲田ロープウェーから望む樹氷、雪化粧した森に佇む「八甲田ホテル」滞在など、冬にしか出あえない青森の魅力は、夏の熱気さながらに旅人の心を温めてくれるに違いありません。
私は8月にねぶたが完成した時点から、翌年の構想をはじめます。その年に完成したねぶたに対する自分なりの反省点を改善したいという思いがそうさせるのかもしれません。そして祭りが終わると題材探しや、インスピレーションを得るためさまざまな景色や美術館をめぐります。11月頃に題材固め、デッサンをして、年を越し真っ白な銀世界が広がる1月から部品パーツづくりをはじめます。一般的に制作現場を見られるのは、制作小屋の「ねぶたラッセランド」が立ち並ぶ4月以降で、それまでの現場はほんの一握りの方しか見ることができません。我々としても順位づけのあるねぶた祭において、他団体との勝負もあるため、情報を早々に公表しないようにする意味もあります。それでも一方で、我々青森人はこの祭りのために1年間をかけているということを広く知っていただきたいという思いがあります。そこで、今回ツアーに参加される皆さま方には特別に、制作現場にお越しいただき、夏とは真逆の閉ざされた白い世界から放たれる極彩色溢れる夏への過程を見て、感じていただければと思います。