[ 国内特集① ]

雅と伝統の
新春行事に親しむ
やすらぎの睦月旅

企画=伊藤麻美子/後藤秀幸/黒木貴士/小森一輝 文=浅見浩司
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1月には、新たな気持ちで迎える新年にふさわしい、さまざまな伝統行事が日本各地で開催されます。今回は、そんな恒例行事のなかから、「蹴鞠はじめ」、「若草山焼き」、「望楼の芝焼き」、「古町芸妓の新春の舞」の4つを選り抜き、雅さや壮観さに心ひかれる旅へご案内します。清々しくもたおやかな新春をご満喫ください。

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優雅な平安の世がよみがえる
「蹴鞠はじめ」を特別席で

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殿上人の遊びに親しんだら 京都の山懐で新春摘草料理を

最初にご紹介するのは、京都・下鴨神社の正月の神事として、毎年1月4日に行われる「蹴鞠はじめ」をご堪能いただくコースです。そもそも蹴鞠は、約1400年前に中国から伝えられたといわれる球戯で、平安時代中頃以降の古文書には、「鞠会」の記述がたびたび見られます。鹿革製の鞠を蹴り上げるのは、色とりどりの平安装束に身を包んだ8人の鞠人。「アリ」「ヤァ」「オウ」の掛け声とともに、いかに相手が蹴りやすい鞠を渡せるかが重要となります。今回のツアーでは、鞠庭に面した「神服殿」のなかの特別観覧席をご用意。少し目線の高い位置からゆったりとご覧いただけます。優雅な平安の世にタイムスリップした気分を楽しんだら、暖かい本殿のなかで、神職のお話と1年の無事を祈る初詣をお楽しみください。

  • イメージ イメージ 下鴨神社の舞殿と神服殿の間に設けられた鞠庭で行われる、古式ゆかしい蹴鞠はじめ

また、京都の山懐にある花脊(はなせ)にひっそりと佇む「野草一味庵 美山荘」での新春摘草料理の昼食も見逃せません。趣深い数寄屋造りの母屋で、深々とした冬景色を眺めながら、この地ならではの自然のふくよかさが感じられる旬の味わいをご満喫ください。さらに、嵐山にある通常非公開の「宝厳院」の書院を貸切って、できたての京生菓子を堪能できるお楽しみもご用意。当日は、1908年創業の老舗和菓子店「老松」の職人の方がその場でつくるお正月生菓子を、お抹茶とともにゆっくりお召しあがりいただきます。

  • イメージ イメージ 京都の奥座敷に佇む、「野草一味庵 美山荘」では新春摘草料理をどうぞ
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古都の夜空を焦がす
壮観な大花火と「若草山焼き」

山焼きの全容を一望するか、会場間近で臨場感を楽しむか

新春の伝統行事を楽しむ旅の2つ目は、奈良の「若草山焼き」を異なる会場からご観賞いただく2コースです。一説には、山頂の鶯塚(うぐいすづか)古墳に葬られた霊魂を鎮め、供養したのがはじまりともいわれる山焼きが行われるのは、約33ヘクタール、周囲3800メートルほどの若草山全体。尺玉も打ち上げられる約600発の華麗でダイナミックな花火のあと、山麓の草地に一斉点火されると、たちまち古都の夜空がまっ赤に染まっていきます。その迫力は、燃え盛る炎の勢いが遠目にも感じられるほど。今回は、ビル最上階の中国料理店で夕食を楽しみながら花火と山焼きの全容をゆったり観賞できる「殊の旅」と、山焼き会場の目の前にあるレストランや会場から臨場感いっぱいにご覧いただく「和の旅」をご用意しました。

  • イメージ イメージ 若草山焼きの打ち上げ花火と燃え盛る炎
    ※実際には、花火のあとに山焼きがはじまります。山焼きと花火が一緒に写っている写真は長時間露光により撮影したもので、実際の見え方とは異なります。
  • イメージ 「殊の旅」は、ビル最上階の「中国料理 百楽奈良店」から花火と山焼きを観賞
  • イメージ 「和の旅」は、山焼き会場目前のレストランや会場内で観賞
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奈良の名刹をめぐり、特別公開の寺宝にやすらぐ

山焼き観賞の翌日に「殊の旅」のコースでめぐるのが、ツアーでは訪れることの少ない「東大寺 戒壇院戒壇堂」の国宝・四天王立像と、「五劫院(ごこういん)」で特別公開される「五劫思惟(ごこうしゅい)阿弥陀仏坐像」の拝観。さらに、「登大路ホテル奈良」でお召しあがりいただく見目麗しいフランス料理もおすすめです。また、「和の旅」のコースでは、奈良時代創建の西大寺(さいだいじ)で年に2回特別開帳される、秘仏「愛染明王坐像」などの特別拝観もお楽しみください。

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本州最南端の火祭り
「望楼の芝焼き」で春を呼ぶ

温もり伝わる幻想的な世界と大海原が眼前の温泉露天風呂へ

新春の紀伊半島を満喫する2泊3日の旅でご覧いただく行事が、本州最南端の火祭りとして知られる「潮岬望楼(しおのみさきぼうろう)の芝焼き」です。これは、冬枯れした芝を焼くことで害虫を駆除し、新芽の育成を促すため、毎年1月に行われているもの。当日は、夕闇が迫るなか、地元の高校弓道部の生徒たちが火のついた矢を芝生広場に向けて発射。落ちた火は、パチパチという音とともにあっという間に燃え広がり、太平洋に面した約10万平方メートルの芝が20分ほどで焼き尽くされます。望楼の芝焼きは、山の斜面などではなく、海まで見通せる広い平地で行われることから、そばまで近づいて見られるのが特徴。炎の温もりを感じながら、幻想的な世界をお楽しみください。

  • イメージ イメージ 地元高校の弓道部員たちが放つ火矢からはじまる、望楼の芝焼きの幻想的な景観

この旅では、“白浜温泉の奥座敷”と呼ばれる南紀椿温泉の「ⅩYZスペチアーレ」にご宿泊いただけるのも大きな魅力です。今年3月にグランドリニューアルしたばかりの旅館は、全室温泉露天風呂付き。目の前に広がる大海原を眺めながら、滑らかな単純硫黄泉の湯あみをご堪能ください。

  • イメージ イメージ 「XYZスペチアーレ」の客室にある、天然温泉の露天風呂
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300年余りの歴史ある料亭で
「古町芸妓」の新春の舞を

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花街の伝統文化と日本料理を由緒ある料亭のお座敷で堪能

最後にご紹介する「殊の旅」と「憧の旅」は、新潟の古町芸妓(ふるまちげいぎ)によるあでやかな舞を鑑賞し、新年をお祝いするもの。かつて古町は、江戸時代中頃から北前船の拠点として賑わった新潟の花街として、京都の祇園、東京の新橋と並び称されていました。その花街で、日本舞踊や唄、三味線などの優れた芸と美しい所作によりお客さまをもてなしたのが古町芸妓。今なお新潟を代表する伝統文化の1つとして受け継がれる芸妓の舞をご覧いただくのは、300年以上の歴史を誇る料亭「日本料理 行形亭(いきなりや)」です。 趣のある築山や池が配された2000坪超の庭園を望むお座敷で、優雅な新春の舞と日本料理の昼食を心ゆくまでご堪能ください。

  • イメージ イメージ 300年以上の歴史が薫る、「日本料理 行形亭」
  • イメージ 新潟を代表する伝統文化の1つである、古町芸妓の美しい舞
  • イメージ 佐渡の伝統芸能である相川音頭の唄と踊りも披露される
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新潟ならではの美食体験と自家源泉かけ流しの温泉も

「殊の旅」でのもう1つの注目ポイントが、自家源泉かけ流しの温泉と山海の幸を満喫できる、岩室温泉「著莪の里 ゆめや」での宿泊。また、「憧の旅」では、新潟を代表する寿司の名店2つのうち、お好きなほうで夕食をお召しあがりいただけます。さらに、新潟伊勢丹との共同企画として、新潟の名産品を詰めた福袋もご用意しました。

  • イメージ 「殊の旅」の宿、「著莪の里 ゆめや」で楽しめる、自家源泉かけ流しの温泉露天風呂
  • イメージ 「憧の旅」の夕食で選べる、新潟を代表する寿司の名店の1つ「はつね寿司 本店」
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