四季を通じて多彩な祭典が繰り広げられる日本は、まさに祭りの国。刺激的な感動を求め、東へ西へと旅めぐる皆さまも多いことでしょう。そんな祭り遍歴に加えたいのが、木曽川南岸に佇む城下町の犬山市で380年以上も受け継がれてきた犬山祭です。
たゆたう川の岸辺に目をやると、春を謳歌するかのような満開の桜。丘の上を見上げると、天守が江戸時代までに建造された、「現存十二天守」の1つとして数えられ、国宝にもなっている犬山城が鎮座しています。「観光前に荷物を預けるためにホテルのメインロビーに入った瞬間、犬山城が窓越しに。ツアーに参加された皆さまも、一挙に旅の高揚感に満たされたようでした」と、今年の同ツアーに同行した笠原添乗員は語ります。
ご案内するのは、そんな風雅な城下町で、昼に夜に熱気に満ちた犬山祭を堪能する旅。祭りのハイライト「車切り(しゃぎり)」の大迫力をゆったりとお楽しみいただける貸切観覧席での見学ツアーです。
「犬山祭ははじめてというお客さまがほとんどでしたが、『祇園祭なども見たことがあるけれど、こんなにすごいお祭りだったなんて!』という声をいただきました」(笠原添乗員)。
趣のある町並みに足を踏み入れたお昼時、春風に乗って聞こえてくるのは雅な笛や太鼓の音。厳かな雰囲気のなか現れてくるのは、高さ約8メートルの車山(やま)が13両も勢ぞろいする圧巻の光景です。見どころは、各車山に備えられた、江戸時代から伝わるからくり人形の妙技を披露するひと時。「それぞれ異なる演目に合わせて、巧みな技を披露します」と、笠原添乗員。その精緻なメカニズムの知恵が、名古屋近辺における機械産業の発展につながったという説にも頷かされます。
祭りの熱気に高ぶった気持ちを心地良く鎮めるのが、犬山城遊覧船でのひと時です。犬山城や桜景色を愛で、船頭さんのお話に耳を傾けるうちに、滞在先「ホテルインディゴ犬山有楽苑」のたもとに着岸。客室でひと息ついたあとは、夜の部に備えて早めの夕食を。各テーブルに配された犬山の伝統工芸や小さな提灯にも、おもてなしの心がこもります。
夜の帳が降りる頃を機に、夜の部の開演です。ホテルから祭り会場までは徒歩圏内、移動の負担なく行き来できます。会場に到着すると、次々に通り過ぎるのは、365個の提灯を灯した13両の車山です。「提灯は蝋燭で灯されていて、揺れる炎がとても幻想的です」と、笠原添乗員。車山が連なりながら城下町を巡行する姿は、錦絵を眺めているかのようです。
通常、犬山祭は有料桟敷席がなく立見となりますが、毎年数十万人の観客で賑わうというだけに、熱狂渦巻く会場は人混みで立錐の余地もないほど。一方、ご案内する旅では、カフェ「1st TERRACE INUYAMA」を貸切って2階の観覧席からご覧いただけます。男衆が勢いよく車山の向きを変える「車切り」の大迫力も、眼前でご覧いただけます。
その圧倒的な感動体験を、笠原添乗員は述懐します。「貸切りのカフェは、目の前で『車切り』が行われる場所に立地しています。観客の皆さんが何時間も前から立ちっぱなしで待っていることを考えると、『車切り』をスイーツやお飲み物をいただきながら観覧できる、まさに特等席といえるでしょう。車山の車輪と道とがガガガッとこすれ合う音の響きや、大きな車山がぶつかってくるような迫力も体感していただけます。『こんなに間近で見られるとは思いませんでした』という声を沢山のお客さまからいただきました」。
昼に夜に犬山祭を満喫後は、「ホテルインディゴ犬山有楽苑」が誇る犬山唯一の天然温泉で、環境音楽の流れとともに心地良い旅の疲れを癒しましょう。
由緒ある城下町で、桜の季節に開催される犬山祭。その豪華絢爛にして迫力たっぷりな祭典を、来年こそは皆さまもご体験ください。