お花見文化は、徳川吉宗が飛鳥山などに桜を植え、江戸の庶民に花見を奨励したのをきっかけに各地へ広まったといわれています。今回は、そんな日本全国のお花見スポットのなかから、ぜひ1度はご覧いただきたい選りすぐりの名所をめぐる旅をご紹介しましょう。
最初にご案内するのは、平安時代初期に嵯峨天皇の離宮として建立された、「大覚寺」の美しい大沢池を縁どる桜を愛でる、2日間と3日間のコース。今回の旅では、天皇や皇族の方々が宴の際に乗ったと伝わる舟を模した「龍頭鷁首舟(りゅうとうげきすせん)」に貸切乗船。平安貴族の舟遊びさながらの風情あふれるお花見を、三越伊勢丹ニッコウトラベルのお客さまだけで優雅にご堪能いただきます。さらに閉門後に「心経前殿」で貸切開催される、声明(しょうみょう)コンサートもこの旅ならでは。声明は、僧侶が経に旋律を付けて唱える声楽のこと。その荘厳な仏教音楽の響きは、皆さまの心に深く染み入ることでしょう。
2日間コースのもう1つの見どころが、藤原道長直筆の日記で国宝の「御堂関白記」特別鑑賞です。収蔵する陽明文庫の文庫長の案内で目の前でご覧いただけます。ドラマのなかでも道長が日記を書く場面が描かれ、その筆跡は、約1000年も前のものとは思えない鮮やかさです。また、3日間コースでは、1803年創業の京菓子司「亀屋良長」京都本店で、春の京生菓子の手づくり体験をお楽しみいただけます。
今回厳選した桜名所めぐりの旅の2つ目は、“みちのく3大桜名所”といわれる、岩手県の「北上展勝地」、秋田県の「角館」、青森県の「弘前公園」を桜前線に合わせてめぐる、2泊3日の2コースです。
まず訪れる北上展勝地では、北上川の河畔約2キロにわたる桜並木や、広大な市立公園展勝地にあるソメイヨシノをはじめとした約150種類・1万本ともいわれる桜を楽しめます。次に向かう角館は、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている武家屋敷通りのシダレザクラと、桧木内川堤の約2キロにわたって桜のトンネルをつくるソメイヨシノが見どころ。“みちのくの小京都”らしい日本情緒が、桜の優美さを一段と引き立てます。最後に訪れる弘前公園は、江戸時代に築かれた3層の天守を持つ弘前城の敷地に広がる、日本屈指の桜の名所。天守や城門、濠などを背景に咲く、約52種類・2,600本ほどの桜は圧巻です。
この旅は、2コースとも、お客さまからの評価が特に高い宿にお泊まりいただきます。Aコースの1泊目は、当社の宿グレード4段階の内トップの“極み”である「角館山荘 侘桜」。素朴で美しい里山風景に抱かれた茅葺き古民家は、まさに日本の昔話のなかの世界。源泉かけ流しの天然温泉が楽しめる半露天風呂付きの客室と、日本料理の名店の元総料理長・野崎洋光さん監修によるお食事をゆったりご堪能いただけます。一方、Bコースでご案内する岩手・花巻温泉の「佳松園」は、南部赤松林の山々に包まれた宿。あふれんばかりの緑と川のせせらぎのもと、美肌効果のあるアルカリ性の温泉をご満喫ください。また、2泊目は、どちらのコースも、ブナの豊かな森が広がる、雄大な十和田八幡平国立公園内に佇む「八甲田ホテル」へ。日本最大級の洋風ログ木造建築と、青森ヒバが香る温泉大浴場で、温もりと癒しのひと時をどうぞ。
おすすめの桜名所をめぐる旅の最後は、北海道の南西部を訪れる2コース。どちらも2泊3日で、北斗市の「北斗桜回廊」、函館の「五稜郭公園」、松前町の「松前公園」という3つの壮大なお花見スポットを満喫します。
最初にご案内する北斗桜回廊は、推定樹齢約300年のシダレザクラがある「法亀寺(ほうきじ)」や、大野川沿いの約300メートルにわたる桜並木など、見どころが点在。そのなかから当日見頃の場所にご案内します。続いて訪れる五稜郭タワーの展望台からは、五稜郭公園の1,500本ほどの桜を一望できます。また、松前公園は、松前城や松前藩屋敷、松前藩主松前家墓所といった観光スポットが豊富な桜の名所。日本各地から集めたおよそ250種・1万本ほどの桜は、早咲き、中咲き、遅咲きと開花時期がさまざまで、ほぼ1カ月にわたってお花見が楽しめます。
Aコースのもう1つのおすすめポイントが、北海道3大温泉郷の1つである湯の川温泉「望楼NOGUCHI函館」の連泊です。その最大の魅力が、最上階のスカイラウンジや展望大浴場、展望露天風呂から望む函館市内の贅沢な夜景。今回お泊まりいただく約60平方メートルの和モダン客室に設けられた温泉展望風呂からの眺めもお楽しみください。また、Bコースで泊まる「江差旅庭 群来(くき)」は、離れタイプ7室のみの、直営農場を持つオーベルジュ。源泉100パーセントの天然温泉は、バブル効果のあるナトリウム炭酸水素塩で、美肌を保てる“魔法の湯”といわれています。