[ セレナーデ時間 ]

春のセレナーデ号の船旅で楽しむ街探訪
~ライン河・マイン河~

緑豊かな古城渓谷や
知られざる魅力を秘めた街々へ

企画=大泉千晶 文=小野瀬宏子
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ドイツの歴史や文化を体感できる街々、そしてアルザス地方にも訪れるライン河・マイン河の船旅。今回は、セレナーデ号の船内イベントにもしばしばご登壇いただき、現地の生活についてお話してくださるフランクフルト在住の日本人ガイド岡﨑史郎(おかざき しろう)さんに各地の見どころを伺いました。ドイツの魅力を知り尽くした岡﨑さんの視点から、この地を訪れる醍醐味をご紹介いただきます。

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清々しい季節に訪れたいライン古城渓谷クルーズ

ドイツの詩人・ハイネが「うるわしの5月」と表現したように、セレナーデ号の船旅で訪れる5月中旬から下旬は、みずみずしい緑があふれる季節です。リバークルーズに絶好の時期にこそ、ぜひお楽しみいただきたい見どころの1つがライン古城渓谷。悠々と流れる大河の両側に続く丘陵に、次々と古城が現れます。その昔、難攻不落といわれ、今も堂々たる佇まいのラインフェルス城、通行税を徴収する関所として中州に建てられたプファルツ城など、それぞれに歴史を物語るものばかり。風格漂う古城の姿は雄大な渓谷と相まって、見飽きることがありません。

また、ローレライも代表的な見どころです。かつて、ライン河を航行していた船員たちが、ローレライの岩の近くを通りかかると岩の上から歌声が聴こえ、その美しさに舵を取るのも忘れてしまったという伝説が残されています。 「この辺りは河の流れが急に速くなり、大きく蛇行しているため、昔から船乗りにとって難所とされていたことから、伝説が生まれたのかもしれません」と岡﨑さん。見応え満点のリバークルーズをお楽しみいただけます。

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大司教の威厳を感じさせるヨハニスブルク城

ここからは、通常のツアーでは訪れることが少なく、まだあまり知られていない3つの小さな街についてご紹介しましょう。

ライン河からマイン河へ進み、フランクフルトを過ぎてしばらくすると、驚くほど巨大な城が見えてきます。これは、アシャッフェンブルクに建つヨハニスブルク城です。広大な領地と強い権力を持っていたマインツ大司教の命により築かれた城で、絵画館、模型博物館、礼拝堂、大司教の居室、博物館など内部を見学することができます。

  • イメージ イメージ マイン河畔の街、アシャッフェンブルク。4つの巨大な塔がそびえるヨハニスブルク城の姿も

岡﨑さんにおすすめの点を伺うと「絵画館にはルネッサンスの巨匠・クラナッハのコレクションもあります。城の前からのマイン河の眺めがすばらしいので、ぜひ楽しんでください」とのこと。大司教もこの景色を気に入っていたそうで、居室は河側に面しています。当時に想いを馳せながら変わらぬ河沿いの風景をゆったりと眺めてみてはいかがでしょう。

  • イメージ イメージ アシャッフェンブルクのヨハニスブルク城は船上から見ても迫力満点
  • イメージ 城内にある礼拝堂は厳粛な雰囲気
  • イメージ 城内は華やかな装飾が施されている
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色とりどりの家並みが続くミルテンベルクで街歩き

次にご紹介するのは、ミルテンベルクです。“マイン河の真珠”とも呼ばれ、美しい木組みの家並みに思わず目を奪われます。

「昨年、修復が終わったミルテンベルク城がある丘から、街の全景を望むことができます」と岡﨑さん。健脚の方は丘の上から、絵画のような街並みを眺めてみるのも良いでしょう。

「マイン河という水上の道のほか、巡礼地として知られる北スペインのサンチャゴ・デ・コンポステーラまで続く街道が、街の真ん中を貫いていることもこの街の特色といえます。目抜き通りが、そのまま中世の街道になっている街ですから、時代を超えた旅と人との結びつきを感じずにはいられません」とは、ドイツを熟知した岡﨑さんらしい視点です。

セレナーデ号で訪れる際には、自由散策をお楽しみいただきます。中央広場の周りには色とりどりの建物が連なります。なかでも目に留まるのが、木組みの旅籠「巨人亭」です。現存するドイツ最古のホテルの1つといわれ、神聖ローマ皇帝・カール6世も訪れたと伝えられています。歴史を感じられる街歩きをご満喫ください。

  • イメージ イメージ ミルテンベルクの「巨人亭」。絵本のなかから出てきたようなかわいらしい建物
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見どころ多彩なロマンチック街道の街々

3つ目にご紹介するヴェルトハイムは、ロマンチック街道の29番目の宿場町。丘の上にはヴェルトハイム城が街と河を静かに見守るように建ち、街中はのどかな雰囲気です。ここでの寄港地観光は、郊外にあるブロンバッハ修道院へご案内します。

「世俗から離れ、自給自足を行っていた修道会だったので郊外にありますが、現在は趣ある建物が残され、おいしいフランケンワインが揃うワイナリーとして人気です」と、岡﨑さん。ご紹介のフランケンワインは辛口の白が多く、ドイツワインのなかでは高級品とされています。ぜひ、現地で味わってみてはいかがでしょう。

  • イメージ ヴェルトハイムの街並み
  • イメージ ヴェルトハイム郊外にあるブロンバッハ修道院は 静かな佇まい

また、セレナーデ号の船旅ではロマンチック街道のほかの街々へも。ヴュルツブルクでは、レジデンツへご案内します。大司教の居城として建てられた宮殿は、贅を尽くしたドイツバロック建築です。内部の装飾も見事で、ナポレオンが「ヨーロッパで最も美しい館」と称賛したと伝えられています。

そして、かわいらしい家並みがまさにロマンチックなローテンブルクでは、思わず写真に納めたくなる風景があちらこちらに。のんびりと街を散策しながら、おとぎ話の世界にいるような雰囲気をお楽しみください。

「ドイツの街々は実に個性豊かで、まだまだ知られていない魅力があります。こうした小さな街の文化から、ドイツの奥深さをご紹介できればと思います」と岡﨑さん。ぜひ、セレナーデ号の船旅で、新たな発見が待つ街探訪へ出発しませんか。

  • イメージ ローテンブルクの「プレーンライン」。中世の街並みそのものが残されている
  • イメージ ヴュルツブルクのレジデンツは建物はもちろん、 美しい庭園も必見
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