2024年11月に入国査証が免除となり、パスポートのみで行けるようになった中国。この機会に昨年12月、約5年ぶりに上海を訪れ、改めて中国の魅力を感じました。かつての上海万博や北京オリンピックの開催をきっかけに、街は驚くほど発展。市内は車両制限があり、クラクションも少なく電気自動車も多く走っていました。また人々の意識が変わったように感じ、マナーも良くなったように思えます。高速鉄道の開通など観光しやすくなった中国へ、これを機に訪れてみてはいかがでしょう。広大な国土に多彩な見どころが点在する中国のなかから、今回は厳選した2つの旅をご紹介します。
1つ目の旅は四川省の奥地にある峡谷に、中国屈指の絶景が広がる世界遺産の九寨溝(きゅうさいこう)と黄龍(こうりゅう)を訪れます。
2024年に高速鉄道が成都から九寨溝・黄龍近くまで延伸し、訪れやすくなりました。さらに黄龍へは起点となる川主寺の街からトンネルが開通し、車で30分ほどという近さに。
ツアーではまずロープウェーと電気カートに乗り、黄龍1番の見どころの「五彩池」へ向かいます。目の前に広がるのは、澄み切ったエメラルドグリーンの水を湛えた池がサンゴ礁のように連なる景観。小刻みに続く段差を水が滑るように流れていく、龍の鱗のような「金沙舗地」など、絶景のなかをゆっくりと下りながら観光します。
九寨溝では3連泊し、専用バスを利用して2日に分けてたっぷりとご案内します。4,000メートルを超える山々と原生林に囲まれ、大小100余りの澄み切った湖沼や滝が、約60キロにわたって連なる峡谷九寨溝。1970年代に森林伐採の労働者に発見されるまで知られることのなかった仙境です。
湖の透明度が高いのは、石灰岩から水に溶けだした炭酸カルシウムが、泥や浮遊物を結晶化して沈殿させるため。空の青を映し出す湖面はこの世のものとは思えない美しさ。青く煌めく湖沼群をのんびりと歩きながら存分にご堪能いただきます。6月は高山植物が花咲く季節。そこかしこで色とりどりの花との出あいもお楽しみいただけます。
いずれも歩きやすい木道や階段が整備され、化粧室やベンチも随所に設置されて観光しやすくなりました。
宿泊は九寨溝の山々に囲まれた「ヒルトン九寨溝リゾート」に3連泊。広々とした室内はバスタブ付きでチベット風装飾のモダンな空間です。
さらに、成都では現在244頭ものパンダを飼育している「成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地」にも立ち寄り、係員の解説付きで見学します。本場四川料理の麻婆豆腐もお楽しみいただきます。
次にご紹介するのは、かつてシルクロードの要衝として栄えたウルムチ、トルファン、敦煌、西安の街を訪れる旅です。1980年にNHKで放映されたドキュメンタリー番組をご覧になって「いつか行ってみたい」と思われた方も多いのではないでしょうか。
このツアーでは航空機や高速鉄道を利用し、トルファンと西安空港近郊に2連泊、敦煌に3連泊し、比較的お体への負担が軽い日程にしております。
天山山脈からタクラマカン砂漠へ、さらに、移動するとともに移り変わる大自然、民族、文化をどうぞお楽しみください。まずは天山山脈の麓にあるウルムチへ。新彊ウイグル自治区博物館で、約3800年前のミイラ「楼蘭美女」を専門の学芸員がご案内します。
次は砂漠のなかのオアシス都市トルファンへ。中国屈指の大石窟「ベゼクリク千仏洞」、『西遊記』の舞台で赤い山肌が炎のような火焔山などを訪れます。
そしていよいよシルクロード探訪のハイライト、敦煌の莫高窟へ。4世紀から14世紀まで1000年以上も栄えた世界最大級の仏教石窟寺院です。井上靖が“砂漠の大画廊”と評した美しい壁画や仏像が残されています。ツアーでは一般窟に加えて、貴重な壁画や塑像が残されている特別窟へも、専門研究員による解説でご案内します。さらに西安では、数千の兵士像が整然と並ぶ兵馬俑博物館で、発掘に携わる調査員による特別講座を開催します。
そのほかに上海、桂林、西安、北京を連泊でめぐる旅や、「ゆったり度3」の大連、旅順の旅もご用意しております。