東北の短い夏を駆け抜ける、青森と岩手2つの夏祭りを体験する旅がついに関西発着で登場します。大迫力の青森ねぶた祭、世界一の太鼓パレードといわれる盛岡さんさ踊りを有料観覧席(椅子席)でゆったりと観賞します。ご宿泊は観覧席からほど近いホテルをご用意しました。
毎年8月2日から7日に開催される「青森ねぶた祭」。色とりどりの巨大な灯籠「ねぶた」が市内を周回します。太鼓、篠笛、手振り鉦(かね)のお囃子が奏でるのは勇ましくも哀愁を帯びたねぶた囃子。それに合わせて「ハネト(跳人)」と呼ばれる踊り手たちが華やかな浴衣を着て花笠をかぶり「ラッセラー ラッセラー♪」と威勢のいいかけ声とともに跳ね踊って祭りを盛り上げます。
辺りが少しずつ宵闇に包まれていくと、花火の合図でまずは子供ねぶたの登場です。ハネトの恰好をして一生懸命に声を張り上げているかわいらしい様子に和みます。こうして子供の頃から馴染み継承していくのでしょう。
続いていよいよ大型ねぶたの登場。暗闇からぬっと現れる様には息を呑みます。ダイナミックにぐるりと回転し、上下に動く迫力ある躍動感を体感してください。ねぶたを誘導し、生き生きと躍動的に見せるのは「扇子持ち」。重さ4トンほどのねぶた台車を動かすのは総勢約20名の「曳き手」。観客の声援が大きい客席にねぶたを誘導するので、大きな声で「ラッセラー」と声援を送り祭りを盛り上げましょう。
一方、岩手県盛岡市で開催されるのが東北五大祭りの1つといわれる「盛岡さんさ踊り」。踊りながら打ち鳴らす勇壮な和太鼓の演奏が有名で、2014年には同時演奏の数で「和太鼓演奏世界一」としてギネスブックに認定されました。
さんさ踊りは「サッコラー、チョイワヤッセー♪」という独特のかけ声とともに総勢約2万人もの大パレードで進んでいきます。「サッコラ」は「幸呼来」と書き、幸せを招くという意味。どこか哀愁漂う青森ねぶた祭と比べると、さんさ踊りの楽曲はテンポが速く、華やかでエネルギッシュ。その踊りは獅子踊りや神楽、剣舞の一部を取り込んでいて、振りも大きく激しく飛んだり跳ねたりと大変見ごたえがあります。団体によって披露する踊りも衣装も違うため、見飽きることはありません。かわいいちびっこさんさ、威勢のいい地元学生、ベテランチームの円熟の踊りなど違いを楽しみながら見ていると、あっという間に時間が過ぎていきます。
新潟県の「長岡まつり大花火大会」は日本三大花火大会の1つといわれています。2日間で約2万発の花火が打ち上げられる日本最大規模の大花火大会です。
信濃川の広い河川敷に設けられている特別観覧席のなかから、花火を真正面でご覧いただける桟敷席をご用意しました。定員4名のところ3名さままででお座りいただき、約2時間、ほぼ途切れることなく続く花火を余裕のある空間で存分にお楽しみいただきます。
まずは白1色の尺玉花火「白菊」が3発上がり、大花火大会のスタートです。続いて速射連発花火スターマイン、休みなく打ち上げられる花火が視界いっぱいに広がり、重低音の破裂音が響きわたります。そして前半のクライマックスが「復興祈願花火フェニックス」。平原綾香さんの『ジュピター』とともに数えきれないほど打ち上げられる花火。夜空が幅約2キロにおよび、色とりどりの花火で埋め尽くされる光景は、花火の概念が覆されるほどの衝撃です。さらにもう1つのハイライト、巨大な正三尺玉も打ち上がり、上空に直径約650メートルもの大輪の花を咲かせます。フィナーレは直径約30センチの尺玉が100発連続で打ち上がる「米百俵」。惜しげもなく打ち上げ、夜空を昼間のように明るく照らす光景に圧倒されて幕を閉じます。
終了後に数十万の観客が花火師への感謝を込めて振る、懐中電灯やスマートフォンのライトの光の帯がまるで天の川のよう。花火師さんたちからも発煙筒を振り返されて河川敷の両側がキラキラと輝き、夜は更けていきます。
この日の宿は岩室温泉。ゆっくりと疲れを癒した翌日は海を渡り、2024年に「佐渡島の金山」が世界遺産に登録された佐渡島を訪れます。