[ 海外特集② ]

悠久のシルクロードで

壮大な天山山脈を望む
中央アジア3カ国
大探索

企画=篠原陽子 文=浅見浩司
  • イメージ イメージ 中国・新疆からカザフスタン南部、キルギスへと連なり、中央アジアを横断する天山山脈。標高7,000メートル級の峰々がそびえ、全長は約2,500キロにおよびます。古代よりシルクロードを行き交ったキャラバンは、この雄大な山脈の峠を越えて各地を結び、サマルカンドやブハラなどの都市に繁栄をもたらしました。東西を結ぶ大動脈として、その存在は今も旅人の心を深く揺さぶります。
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風光明媚な歴史薫る街並みと
数千年前の岩絵に見入る

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カザフスタン最大の都市で山岳風景や世界遺産の音色を満喫

日本の約7倍という広大な面積を持ち、雄大な草原に遊牧民の伝統が息づくカザフスタン。石油などのエネルギー資源や鉱物資源に恵まれているため、中央アジアで最も裕福な国としても有名です。ここでは、緑豊かな“ガーデンシティ”アルマトイに2連泊します。背後に天山山脈がそびえ、歴史薫る街並みと大自然が一体となった美しい都市には、バザールや博物館といった数多くの観光スポットが点在しています。なかでもおすすめなのが「民族楽器博物館」。9つの展示ホールにさまざまな民族楽器が展示されているほか、独特な音色を奏でるドンブラやコブスなどの楽器演奏をご鑑賞いただきます。さらに、市内からロープウェーで登る、コクトベ山頂の展望台と、展望レストランからの眺望も見逃がせません。夕食を楽しみながら、ダイナミックな天山山脈の夕景をご満喫ください。

  • イメージ 天山山脈とアルマトイ市街を一望できる、コクトベ山頂付近の展望レストラン
  • イメージ カザフスタンの代表的な民族楽器の1つ「コブス」
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約3500年前からの岩絵が5,000点以上残る世界遺産へ

アルマトイから大草原のなかの道を北西へ約180キロ。そこに現れるのが、2004年に「タムガルの考古的景観にある岩絵群」として世界遺産に登録されたタムガル渓谷です。タムガルとは、カザフ語で「印のある」、「絵が描かれた場所」という意味で、一帯には、5,000点以上もの岩絵がくっきりと残されています。最古のものは、約3500年前の青銅器時代にまで遡るといわれます。その絵は動物や狩りの様子、馬に乗る戦士、踊るシャーマン、太陽神など実にさまざま。黒い岩の表面を削ったペトログリフ(岩面彫刻)は、濃淡のコントラストも見事です。

  • イメージ イメージ 世界遺産のタムガル渓谷で見られる、青銅器時代にまで遡る岩絵
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雪山を一望する都市遺跡と
驚異の透明度を誇る山岳湖へ

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シルクロードの交易都市だった2つの遺跡とミナレットを見学

北でカザフスタン、東で中国、南でタジキスタン、西でウズベキスタンと隣接するキルギスは、国土の約90パーセントが山岳地帯。その多くを雄大な天山山脈が占め、“中央アジアのスイス”ともいわれます。まずは、首都ビシュケクの東約60キロに位置する、トクマクをご紹介しましょう。天山北路のルートにあたるこの地では、2つの古代都市遺跡が必見です。

  • イメージ イメージ 荘厳な天山山脈に抱かれた、キルギスの首都ビシュケク

その1つである「アクベシム遺跡」は、6世紀から11世紀にかけて栄えた都市で、三蔵法師がインドに向かう途中で立ち寄ったといわれています。もう1つの「バラサグン遺跡」は、10世紀半ばに興ったカラハン朝の都で、シルクロードの交易都市として発展しました。ここでの最大の見どころが、中央アジアで最も古いミナレットといわれる、高さ約24メートルの「ブラナの塔」。内部のらせん階段を上ると、天山山脈の雪山と大草原を一望できます。

  • イメージ キルギスでは、中央アジア伝統の鷹狩りショーも お楽しみください
  • イメージ 「バラサグン遺跡」の一部である、高さ約24メートルの「ブラナの塔」
  • イメージ イメージ 氷河を抱く天山山脈の麓に広がる、騎馬民族を育んできた緑の草原と美しい花々
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スケールも透明度も圧倒的なイシククル湖で遊覧クルーズ

トクマクから草原のなかをさらに東へドライブした、標高約1,600メートルの地にある「イシククル湖」は、琵琶湖の約9倍の大きさです。まるで海のようなスケール感に加えて驚かされるのが、世界の湖でトップクラスといわれる透明度。その美しさは、“中央アジアの真珠”と称えられています。

また、キルギス語のイシク(熱い)・クル(湖)に由来する名前は、三蔵法師の『大唐西域記』にも「熱海」と記されており、気温がマイナス20度になる冬でも凍らないのが特徴です。最新デラックス船の遊覧クルーズで楽しめる、雪を頂く天山山脈と緑の丘陵の眺めは、心に深く刻まれることでしょう。

  • イメージ イメージ 透明度が高いイシククル湖でのデラックス船による遊覧クルーズ 
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シルクロードの交差点
麗しき“青の都”を満喫する

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ティムールの手で華麗に甦ったサマルカンドの人気スポットへ

中央アジアのほぼ中央に位置し、かつて東西と南北のキャラバンが行き交ったウズベキスタン。その繁栄を象徴する“青の都”サマルカンドは、シルクロードの交差点として、さまざまな国々の人々と文化を迎え入れました。その後、1220年にチンギス・ハーンの攻撃で廃墟と化した街を、英雄アミール・ティムールが帝国の首都として華麗に甦らせたのです。そんな麗しいサマルカンドの多彩な見どころを、上質なホテルに3連泊してめぐります。

まず、ティムール朝の象徴的な遺産として有名なのが、3つの壮大なメドレセ(神学校)が並ぶ「レギスタン広場」です。なかでも圧巻なのが、正面中央にある「ティラカリ・メドレセ」のモスク内部。幾何学模様やアラベスクなどの伝統的なデザインが織り込まれた、黄金の天井と礼拝堂は、まさに息を呑むほどの眩さです。また、ティムールが眠る「グリ・アミール廟」や、ティムールの妻や親族らが眠る「シャーヒズィンダ廟群」に施された、鮮やかなサマルカンドブルーのタイル装飾にも心奪われることでしょう。さらに、2000年以上前から続いているといわれる「シヨブ・バザール」では、現地ならではの食材が所狭しと並ぶ、活気あふれる風景をご覧ください。

  • イメージ イメージ 夜の「レギスタン広場」でご覧いただける神秘的なライトアップ
  • イメージ 「シヨブ・バザール」で味わえるウズベキスタンの伝統パン
  • イメージ サマルカンドブルーの装飾があしらわれた霊廟が並ぶ「シャーヒズィンダ廟群」
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シルクロードの歴史と現代が調和するタシケント

ウズベキスタンの首都にして、歴史遺産と現代建築が調和するタシケントで訪れるのは、第2次世界大戦後、シベリア抑留された日本人捕虜によって建てられた「ナヴォイ・オペラ・バレエ劇場」です。1966年のタシケント地震の際、街が壊滅的な被害を受けたにもかかわらず、この建物は壊れなかったことで、日本人に対する評判と親日感情が一段と高まりました。

この機会に、中央アジア3カ国の見どころを快適にめぐり、悠久のシルクロードに思いを馳せてはいかがでしょう。

  • イメージ イメージ 1947年に建てられた「ナヴォイ・オペラ・バレエ劇場」
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