[ 海外特集① ]

〈 トルコ特別企画 〉
一般開館前入場でトプカプ宮殿を堪能

オスマン帝国豪奢たる
栄華の時代

企画=木村聡 文=佐藤淳子
  • イメージ イメージ オスマン帝国繁栄の象徴であるトプカプ宮殿。装飾の美しさに目を奪われる

東西文明の十字路として栄えたトルコには、唯一無二の歴史遺産が点在しています。 三越伊勢丹ニッコウトラベルでは、トルコ特別企画として、イスタンブールで4つの特別観光を楽しむ旅を来年催行する予定です。ハイライトはオスマン帝国時代の栄華を今に伝えるトプカプ宮殿の特別見学。通常は多くの観光客で賑わうこの宮殿を、お客さまだけの優先入場により、一般開館30分前からご見学いただきます。 400年の長きにわたって歴代スルタンが暮らし、政治の中心を担ってきた歴史ある宮殿で、古の時代に想いを馳せる貴重なひと時をお過ごしください。

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  • イメージ イメージ 約70万㎡の敷地に建つトプカプ宮殿。敷地内には、スルタンの居室はもちろん、その家族や世話をする女性たちの住居、議事堂や図書館などが建ち、街の様相を呈していた イラスト(イメージ)
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世界に名を轟かせた大帝国 その歴史を今に伝える宮殿

東西文明の十字路、トルコ。この国はかつて、ヨーロッパ、アジア、アフリカにおよぶ広大な領土を支配した大帝国の中心でした。ボスポラス海峡とマルマラ海を見晴らす高台に建つトプカプ宮殿は、その巨大国家、オスマン帝国の栄華を今に伝える重要な場所です。

アナトリア地方の小国家だったオスマン帝国がじわじわと勢力を拡大、東ローマ帝国の首都、コンスタンティノープルを陥落させたのは1453年のこと。街の名をイスタンブールと変え、オスマン帝国の首都とした当時のスルタン(君主)、メフメト2世がこの地に造営したのが、トプカプ宮殿でした。宮殿はその後、19世紀中期まで、実に400年もの間、歴代のスルタンの居城、そして政治の中心を担う場所として機能することになります。

歴代のスルタンは、それぞれの時代で増築や改築を行ってきましたが、現代の私たちを出迎えてくれるのは、印象的な八角形の塔を両脇に備えた「表敬の門」です。壮麗な門をくぐった先に待つ美しい庭園と豪奢な建物の数々。17世紀には、約4,000人から5,000人もの人がここに暮らしていたというからその規模がわかるでしょう。

  • イメージ いつもは観光客で賑わう宮殿を一般開館前の優先入場でゆったり見学
  • イメージ 八角形の2本の柱が印象的な「表敬の門」。この先に歴代スルタンが暮らした豪奢な世界が待っている

そして、門を背にして左手に建つのが第1の見どころ、ハレムです。日本では、1人の男性を大勢の女性たちが取り囲む意味で語られがちですが、そもそも「ハレム」の語源は、「禁じられた場所」を意味するアラビア語。トプカプ宮殿には、スルタンの世話をするために大勢の女性たちが集められました。その女性たちが宦官たちとともに生活していたのがハレムで、ここはスルタンとその家族以外の者は、入ることが禁じられていた場所だったのです。ちなみに、ここから外出することができたのもスルタンとその家族だけで、女性たちは外へ出ることは許されませんでした。

ハレムの建物は、宦官、スルタンの母、スルタンの妻として選ばれた女性たち、そしてその他の女性たちが暮らす住居に分かれています。さまざまな建築様式を取り入れ、色とりどりのタイルで美しく装飾された部屋が連なる建物内は見応えたっぷり。宴や祭事が催された煌びやかな「皇帝の間」や、果物をモチーフにした美しい壁画が印象的な食堂など、栄華を極めた当時に思いを馳せながら、興味深い見学ができることでしょう。

  • イメージ イメージ スルタンに仕える女性たちが暮らしたハレムも見どころの1つ。壮麗な装飾が施された建物内部は見飽きることがない
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東西の財宝が煌めく宝物殿 日本を含むアジアの陶器も

ハレムのほかにも、最高級のタイルで覆われたスルタンの私室や、高官らが集まった「謁見の間」など、宮殿内の見どころは尽きません。

そのなかでもう1つ必見の場所を挙げるとすれば、やはり宝物館になるでしょうか。隆盛を極めたオスマン帝国には世界中の富が集まりました。遠く日本からも陶磁器などの名品の数々が渡ってきています。宝物館には、こうした各国の財宝の数々が惜しげもなく展示されています。

目もくらむような財宝のなかで、常に来場者の注目を集めている1つが、マフムード1世の命でつくられたとされる「トプカプの短剣」。重さ約3キロもの大きなエメラルドが柄にはめ込まれたこの短剣は、オスマン帝国の職人の最高傑作とされ、「世界で最も貴重な短剣」ともいわれています。そしてもう1つが、「スプーン屋のダイヤモンド」。この奇妙な名前の由来には諸説ありますが、有力なのは、イスタンブールの漁師が、海岸で見つけた輝く石を宝石商のもとに持っていき、3本のスプーンと交換したというもの。真相は定かではありませんが、86カラットという、とてつもない大きさのダイヤは一見の価値ありです。

  • イメージ 宝物館での必見は大粒のエメラルドが配された 「トプカプの短剣」
  • イメージ 86カラットの巨大なダイヤを49粒のダイヤが囲む「スプーン屋のダイヤモンド」
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一般入場前の静かな宮殿に お客さまだけで入場

400年もの間、世界にその力を誇ったオスマン帝国の象徴、トプカプ宮殿。世界中の旅行者がその優雅な世界をひと目見ようと訪れる人気の観光地だけに、入場ゲートには常に長蛇の列ができ、建物に入っても、お目当ての場所には大勢の人が集まっているのが日常の光景となっています。

そこで、来年のトルコの旅では、この人気の宮殿をゆっくりお楽しみいただくべく、一般入場の30分前に、当社のお客さまだけ優先的に入場いただきます。通常は観光客で賑わう人気のハレムは、静寂のなかでご見学いただけることでしょう。栄華を極めた時代の空気をとくと堪能ください。