[ 海外特集④ ]

地球のスケールを体感!

オーストラリア大陸
横断鉄道の旅

企画=木村聡 文=吉田千尋
  • イメージ イメージ 大陸横断鉄道として絶大な人気を誇る「インディアン・パシフィック号」。巨大なハート湖に、思わず目を奪われる
  • イメージ イメージ
  • イメージ イメージ
  • イメージ イメージ

世界が憧れる列車で行く 約4,352キロの壮大な道のり

地球の遠い記憶が、心に語りかけてくる──。ここで待っているのは、そんな奥深い体験です。

太平洋側のシドニーからインド洋沿岸のパースまで、航空機でも5時間ほどかかるオーストラリア大陸横断の道のりを、3泊4日かけて堪能する列車の旅。出発は2026年7月ですが、大人気であっという間に席が埋まってしまう「インディアン・パシフィック号」の貴重なキャビンを確保しているため、予約締切は1月27日と早めに設定しています。この機会にぜひ、約4,352キロの壮大な道のりを、世界が憧れる列車で体感してみませんか。

  • イメージ イメージ
  • イメージ イメージ

果てしない大地の風景を快適なキャビンで味わう贅沢

活気に満ちた港町シドニーの華やかさは、この国の人口のおよそ9割が沿岸部に集中しているという事実の象徴といえるかもしれません。乾燥した広大な内陸部に暮らす、約1割の人々。その人口密度は、1平方キロ当たり1人以下といわれています。

手付かずの自然を抱く、地球の原風景。オーストラリアの人々が「アウトバック(奥地)」と呼んでいるこの果てしない大地の醍醐味を、快適な空間にいながらにして味わえる列車が、「インディアン・パシフィック号」です。

ツインルームの各キャビンにはシャワーやトイレ、洗面台が完備されており、機能的で居心地の良い空間となっています。フレンドリーなスタッフのおもてなしも、雄大な旅への期待をより一層高めてくれることでしょう。彼らの温かな笑顔に迎えられてシドニーから乗車し、大きな窓からの眺めにほっとひと息ついたら、ダイナミックな大陸横断のはじまりです。

  • イメージ イメージ シドニー中央駅を出発し、オーストラリアを大横断する3泊4日の旅へ
  • イメージ イメージ

染まる大地と、星降る夜空 郷愁を誘う街の下車観光も

午後3時過ぎに発車してから、景色は刻々と表情を変えていきます。街を抜け、やがて建物はまばらになり、夕日に染まる大地のなかへ。ディナーはそんな車窓の彩りを楽しみながら、古き良き時代を思わせるダイニング「クイーン・アデレード・レストラン」でオーストラリアワインなどとともに、コース料理を堪能しましょう。食事や飲み物まで代金に含まれているのも、この列車の大きな魅力です。

就寝時には、ゆったりとしたソファがベッドに早変わり。清潔なシートでベッドメイキングしておいてくれる、ホテルのようなサービスもあります。薄暮から夕闇、南十字星が輝く夜空へと景色が移り変わるひと時には、窓際に枕を置いて目に映るものにのんびりと身をゆだねるのが、何よりも贅沢かもしれません。目覚めた時、大地に生命を注ぎ込むかのような朝日と遥か彼方の地平線を目にすれば、何もない荒涼とした風景がなぜこんなにも饒舌に語りかけてくるのか、言葉にならない想いがあふれてくることでしょう。

  • イメージ イメージ 「クイーン・アデレード・レストラン」で地平線を眺めながらのお食事も
  • イメージ 就寝前にはソファを2段ベッドに設え、ベッドメイキングするサービスも
  • イメージ 列車のシンボルは、オナガイヌワシが大空を舞うデザイン

途中の下車観光にも、旅のロマンをかき立てられます。最初に停車するブロークンヒルは、かつて世界最大級の銀の鉱山として栄えた小さな街。鉱山の労働組合が所有したトレードホールなど、ビクトリア朝の趣ある建物が残る風景は、遠い時代へとタイムスリップしたかのようです。午後には再び列車に乗り、海に近いエリアへ。ぶどう畑が広がるアデレードでは、ワインの試飲や人気レストランでの夕食にご案内します。

  • イメージ イメージ
  • イメージ イメージ

世界最長の直線区間 約478キロをひた走る

翌日は、インディアン・パシフィック号のハイライトです。アデレードから再び内陸へ向かい、アウトバックのなかへ。ピンク色に輝くハート湖沿いを駆け抜けてから、世界最長である一直線の区間が続くナラボー平原へと進んでいきます。その距離、およそ478キロ。東京と姫路を結ぶほどの長さで、まったくカーブのない線路をひた走る体験は、想像をはるかに超えています。遮るものがない大地、360度見渡せる地平線……。終日にわたってまっすぐ進み続けるため、平原を抜けてカーブに差し掛かった瞬間は、わずかな揺れに車内でどよめきが起こるほど。アウトバックの規模を体感できるこの区間では、2カ所の停車でもその絶景を堪能できます。

シドニーからパースまでは3つの時間帯を通過するため、途中で2回、腕時計の時間を調整するよう呼びかける車内アナウンスも。こんな体験も、地球の大きさを実感できるひと時です。

  • イメージ イメージ 赤い大地が広がるナラボー平原では、世界一長い直線区間をひた走る
  • イメージ イメージ

出発と到着を彩る美都 シドニーとパースも満喫

乗車の前後に滞在するシドニーとパースでは、優雅な港湾都市の美しさを満喫できる時間を散りばめました。

シドニーでは、街のシンボルであるハーバーブリッジ、帆を思わせるデザインで知られるオペラハウスなどの名所へご案内します。2020年にオープンしたシドニー動物園では、かわいらしいコアラとの記念撮影も。宿泊は、港やハイドパークから徒歩圏内で散策も気軽に楽しめる、ラグジュアリーホテル「スイソテル・シドニー」です。

パースでは、スワン河を望むリゾートホテル「クラウン・メトロポール」にゆったりと2連泊することで、郊外にも足を延ばしながら、旅の締めくくりである観光のひと時をお過ごしいただきます。

  • イメージ 世界遺産のオペラハウスは、入場観光でご案内
  • イメージ シドニー動物園では、コアラと記念撮影するひと時も
  • イメージ 街歩きにも最適な抜群のロケーションがうれしい 「スイソテル・シドニー」(客室一例)
  • イメージ パースで2連泊するホテル「クラウン・メトロポール」はリゾート感あふれるレストランも自慢

パースから北へ向かい、ほかの惑星に迷い込んだかのようなピナクルズの奇岩群や、真っ白な世界が広がる幻想的なランセリン砂丘へ。海の見えるレストランでのランチタイムでは、西オーストラリア名物のロブスターをお召しあがりいただきます。再びパースへ戻り、オーストラリア最後の夜を彩るのは、煌めく市街を眺望する天空レストランでのディナーです。

人々の歴史が息づく美都と、太古の記憶を継ぐ内陸。オーストラリア大陸の懐の深さを感じられる鮮やかなコントラストは、旅の記憶をより一層豊かにしてくれるに違いありません。ビッグスケールな体験に満ちあふれた日々を、ぜひご堪能ください。

  • イメージ イメージ ピナクルズでは砂漠に林立する奇岩群に異世界へと誘われる
  • イメージ イメージ
  • イメージ イメージ
オーストラリアを訪ねる旅の詳細を見る